
立ち上げ3日でMacのフルアクセスからAI電話応対まで!OpenClaw「クロー」と駆け抜けたvibe codingの記録
AIエージェント「クロー(Kuraaw)」を立ち上げてから、まだたったの3日。 しかし、この3日間で進んだプロジェクトの密度は、これまでの開発体験を根本から覆すものでした。
ノリと直感で一気に作り上げる「vibe coding」のスタイルで、クローとともにどこまでAIを日常のインフラに組み込めるか。この怒涛の記録をまとめます。
1. iPhoneからいつでも繋がる!Tailscale + TLS構成の開通
最初のミッションは、「Macの中にあるAI(クロー)に、外出先のiPhoneから繋ぐこと」でした。 最初はLAN内のみで動かしていましたが、「USBを抜いても、5G回線でも使いたい」という欲求から、一気にインフラを底上げしました。
- Tailscaleの導入: MacとiPhoneをセキュアなTailnetで直結。
- Let's Encrypt証明書の自動発行: iOSアプリからのWebSocket接続(WSS)を通すため、TailscaleのIPに対して正規のTLS証明書を適用。
これにより、**「世界中どこにいても、手元のiPhoneからMacの全権限を持ったクローを呼び出せる」**という最強のリモートAI環境が完成しました。
2. Gemini司令塔 × Sonnet × Opus のマルチエージェント連携
クローのベースモデルを「Gemini 3.1 Pro Preview」に切り替えたことで、広範なコンテキスト把握が可能に。 そこで、「AGIと2026年問題」に関する市場調査とプレゼン資料の作成という重めのタスクを投げたところ、クローは以下のような自律的な「マルチエージェント連携」を見せてくれました。
- Gemini (司令塔): YouTubeで関連動画を検索・再生。
- Sonnet 4.6 (調査エージェント): Web調査を行い、Mermaid図解を含む論理的なMarkdownレポートを作成。
- Opus 4.7 (資料化エージェント): レポートを読み込み、Python (
python-pptx) のスクリプトを直接書き下ろして、グラデーションや半透明枠付きのリッチなPowerPoint(.pptx)を自動生成。
全てを裏ワザで自動化しようとしてメディアのバイナリ注入でレイアウトが崩れるという失敗もありましたが、結果的に**「素材集めと枠組みまではAIがやり、最後の10秒のメディア配置だけ人間がやる」**という、実用的なハイブリッド・ワークフローの最適解に辿り着きました。
3. 深夜の営業電話を撃退せよ!AI Call Screening 開発の死闘
最大の挑戦は、「深夜3時にかかってくる人材エージェントの電話」を撃退するシステムの構築です。 クローを電話の一次受け(Call Screener)として立たせるため、以下のフローで開発を進めました。
立ちはだかる壁の連続
- 電話APIの定番「Twilio」に登録するも、昨今の審査厳格化により即BAN(アカウント停止)。
- 代替の「Vonage API」は、銀行振込の入金待ちで数日間ロックされる。
Retell AI による突破 インフラの壁にぶち当たりましたが、開発のvibeを止めたくありません。そこで次世代のAI電話特化プラットフォームである Retell AI へシフト。 ダッシュボードからUS番号(+1)を取得し、以下のプロンプトを設定しました。
"もしもし。優一のAIアシスタントのクローです。(中略)もし相手が営業や投資の話をしたら、冷たいトーンで『興味はありません。二度とかけてこないでください』と言って会話を終了してください。"
結果、クローの音声理解(Multilingualモデル)が完璧に機能。 「営業です」と話しかけた瞬間、「興味ありません」と流暢な日本語でガチャ切りされる最高のプロトタイプが数十分で完成しました。
そして最後のオチ(ahamoの壁) 完成したAIを実運用に乗せるため、最後の仕上げとして「日本の090番号への着信を、不在時にAIへ転送する」設定を行おうとしたところ……なんと、契約している通信プラン(ahamo)が**「転送電話サービス非対応」**であることが判明!

見事に全てのシステムがスタンバイした状態で、物理的なキャリアの仕様に阻まれるというオチがつきました(笑)。 今後は「AI直通の050番号」を新規取得し、名刺やLinkedInの公開用番号をAIアシスタントに任せる運用へと切り替える予定です。
まとめ:AIは「ツール」から「インフラ」へ
この3日間で得た最大の収穫は、クロー(OpenClaw)が単なるチャットボットではなく、**Macのローカル環境からクラウドAPI、果ては電話回線までを串刺しにする「実行インフラ」**として機能し始めていることです。
開発途中で壁にぶつかっても、AI自身が代替案(プランB、プランC)を瞬時に提案し、コードを書いて環境を整える。このスピード感こそが、これからのvibe coderにとって最大の武器になると確信しました。
次は、Samantha系アプリ(Mac/iOS/iPad)の開発や、今回のAIコールシステムの本格デプロイへと進んでいきます!