「私なら潔く先方の企業の指示に従って宿を出ていきますかね」 ― 法律相談で言われたこと — 消費者トラブルで都内の大手法律事務所に法律相談を申し込んだ。弁護士は申込内容を読んでおらず、英語の証拠資料を読めず、不当利得にも内容証明にも触れないまま「勝機は見えない」と受任を断った。その3か月後、私は弁護士会に懲戒請求を行った。
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「私なら潔く先方の企業の指示に従って宿を出ていきますかね」 ― 法律相談で言われたこと

法律相談消費者問題弁護士記録エッセイ

English version: "Personally, I'd Accept It and Leave the Place"

私は2026年6月、民泊をめぐる消費者トラブルで、都内の大手法律事務所に法律相談を申し込んだ。相談は1回で終わり、受任は断られた。その約3か月後、私はこの弁護士について、所属する弁護士会に懲戒請求を行った。現在、審理中である。

以下は、その相談の場で何が起きたかの記録である。弁護士個人の氏名と事務所名は、審理中であることを踏まえて伏せる。

トラブルの中身は、滞在中にAirbnbのアカウントを削除され、民泊ホストに二重に支払うことになったというものだ。経緯と結末は別の記事に書いた。この記事は、そこで助けを求めた先で起きたことだけを扱う。

申し込み

6月9日、事務所の相談フォームから法律相談を申し込んだ。申込時に、事案の概要、日付、金額、相手方の名称と所在、既に講じた対応、希望する対応、証拠が保全済みであることを具体的に書き、「消費者問題および国際取引紛争に強い弁護士のご助言をいただきたい」と明記した。

6月16日の相談

相談が始まると、担当の弁護士は、私が1週間前にフォームで送った内容を把握していなかった。私は事案を最初から説明し直すことになり、相談時間の大半がそれに費やされた。

私は、Airbnbからの「全額返金」の通知、返金を拒否する回答、ホストとのやり取りなど、紛争の核心となる資料を持参していた。Airbnbとのやり取りは英語である。弁護士はこれらの英語資料を読むことができず、内容を検討することができなかった。私は申込時に、相手方が海外の事業者であることを明示していた。

私は、ホストがAirbnb経由で既に177,510円を受け取っているのに、私から直接256,802円を受け取っており、同じ宿泊について二重に受け取っている状態であることを説明した。弁護士は、この点について特に問題があるとは言わなかった。不当利得についても、ホストがプラットフォーム外での支払いを求めたことについても、指摘はなかった。内容証明郵便や少額訴訟といった手段の説明もなかった。

弁護士の発言は、終始、事業者側の立場に立ったものだった。状況の飲み込みも悪く、私は途中から、彼の論理に一種の矛盾を感じ取っていた。その結果、私は彼を真顔で直視して「それは面白いご意見ですね」と言った。

そのあと、こういうやり取りが続いた。

私が「私はこんなに理不尽な状況に陥っているのに」と訴えると、弁護士は首を傾げながら、こう言った。

「これは、理不尽というかあ……」

私が「先生が私と同じように、宿泊中に先方から一方的にキャンセルされたら、どうするんですか」と尋ねると、弁護士はこう答えた。

「私なら潔く先方の企業の指示に従って宿を出ていきますかね」

私は、消費者として被害を受けた側の相談に来ているのに、被害を受けた側が黙って従うべきだと言われたように感じた。

弁護士は「この訴訟については勝機は見えないので、契約は引き受けできません」と述べて受任を断った。訴訟以外にどのような手段があるか、私が自分で何をすればよいかについての助言はなかった。

私は、この事案を扱える別の事務所を紹介してほしいこと、そして本日の見解を書面にしてほしいことを求めたが、いずれも「できない」と断られた。

相談の終わりに、私は「私は何のために今日ここに来たのか分かりません」と伝えた。すると弁護士は「それでは本日の相談料は頂きません」と言った。私がこう言わなければ、相談料1万円は予定どおり徴収されていたと認識している。

事務所への苦情

私は翌17日、同事務所の苦情フォームから苦情を申し立てた。同日、オフィス所長から返信があったが、「事実関係の確認をいたしました」としながら、その結果は示されず、私の要望への個別の回答はなかった。再度具体的な回答を求めると、6月22日、複数のオフィスを統括する弁護士から、「ご要望に関しましては、いずれも弊所としては応じかねます」との回答があった。

その後、どうなったか

弁護士の助けを得られないまま、私は自分でAirbnbおよびホストとの交渉を続けた。結果として、Airbnbに支払った214,002円は、6月29日と30日の二度に分けて全額が返金された。専門家の助けなしに、私自身の交渉によって回収したことになる。

この間、私の不眠は悪化した。帰国後、1日に1時間ほどしか眠れない日が3週間近く続き、相談から約10日後の6月下旬、私は倒れることを恐れて救急車を呼び、病院に搬送された。

懲戒請求

私は2026年9月17日、この弁護士が所属する弁護士会に対し、懲戒請求書を簡易書留で送付した。現在、審理中である。

私が最も傷ついたのは、専門家に助けを求めた場で、事案を読んでもらえず、資料を読んでもらえず、法的な検討をしてもらえず、「潔く出ていく」と言われたことだった。その後、法律の素人である私自身が、交渉だけで代金の全額を取り戻した。「勝機は見えない」という判断が、事案を検討した上での判断であったとは、私には思えない。

私と同じように追い詰められて法律相談に来る人が、同じ対応を受けることのないよう、調査を求めている。

なお、懲戒請求の結果が出た場合は、本稿に追記する。

一つの文について

「私なら潔く先方の企業の指示に従って宿を出ていきますかね」。

この文を、私は初めて聞いたわけではなかった。中学の担任は「虐められる側にも問題がある」と言った。コロナ禍に相談した警察と弁護士は「誹謗中傷された側に原因がある」と言った。いじめを生き延びて経営者になった人は、いじめで死んだ知人について「死んだそいつが悪い」と言った。

被害を受けた側が引き下がれば、問題は消える。誰も、それを言った人を責めない。同じ構造を25年ぶん並べた記録は、こちらに書いた。